ダルクにつながって

二年間覚せい剤を使い続けて、半年の間に五回の入退院を繰り返したかおりが自分の話をしてくれました。

私にはダルクが必要でした

ダルクにつながって | 仲間の話 - 大阪ダルク

私にはダルクが必要でした。でもダルクにつながって、三ヶ月間は毎日ミーティングには行けませんでした。それが今では、毎日通えるようになりました。仲間とのミーティングやフェローシップにとても感謝しています。


私は二年間、覚せい剤を使い続けて、半年の間に五回の入退院を繰り返しました。初めて覚せい剤を使ったときの気分は、全身の穴が広がるような感じでとても気持ちよかったです。覚せい剤との出会いは衝撃的でした。

その頃、付き合っていた彼との別れがあり、ショックのあまり自殺未遂をしました。別れ話の後、シティーホテルのトイレで首吊りをやったのです。当時、私は二人の男の人と付き合っていて、その一人は不倫相手で、もう一人は同じ年の男の子でした。私はその不倫相手との別れ話で首をつったのです。

苦しかったです、でも薬がやめられない

でも心残りがあったのか、首をつる場所を探している時に、同じ年の男の子に電話をかけて「今から、私、死にます」と伝えたのです。するとその男の子はあわてて駆けつけてくれました。病院に運ばれて、暴れました。点滴を受け、私は家に帰り二日間ほど眠り続けました。


目をさました私の心の中はカラッポでした。「もう、どうでもいい・・・・。もうどうなってもかまわない・・・・」と思っていました。するとそのとき、一本の電話がかかってきました。それは心待ちにしていた彼氏ではなく、私が働いていた水商売の店の元暴力団員のお客さんでした。私が自殺未遂したことを告げると、「気分が変わるいいものがあるから、とりあえず食事でもしよう」と誘われました。私はその甘い誘惑にのりました。


自殺未遂をしたホテルのおすし屋さんで食事をして、部屋へ入りました。その人は、アルミホイルとストローを私に渡しました。そして白い結晶をパラパラとのせました。下からライターであぶり「吸ってみい」と言いました。私は舞い上がる煙をおもいっきり吸いました。するとスウーとして、すごくハッピーになりました。今までの考えがどこかに吹っ飛びました。次に「腕を出してみい」と言われ、言われたとおりにしました。その人は注射器を取り出して、私の腕に注射しました。その時です。全身の毛穴が広がったような気分で、なんとも言えない快感におそわれました。きっとその時からすでに依存症だったんだと思います。精神的にも肉体的にも薬につかり、はまっていきました。


精神病院に入院しても、自分はおかしくない、大丈夫だと思っていました。回復していっている仲間に会った時も、同じ考えでした。毎日、ミーティングに出ても変わりませんでした。それが覚せい剤の再使用につながりました。もうその頃には、最初に味わった快感は得られなくなっていました。そして幻覚や幻聴に悩まされました。殺される、撃たれる、人がビルの上から飛び降りる、など。苦しかったです。でも薬がやめられない、どうすればいいか分からない。


そして今、やっとダルクにたどり着いたのです。もし今も苦しんでいる薬物依存者の仲間、一度、ダルクの扉を叩いてみてください。きっと解決の糸口が見つかると思います。なぜなら、どうしようもなかった私が、ほんの少しの間でも薬をやめられている姿があるからです。


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